第30回記念 公演記録 
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第30回  【 ほろ酔い寄席 】 平成24年2月5日(日)
住吉区民ホール
第三十回記念のほろ酔い寄席が
二月五日(日)に住吉区民ホール『住吉ふれあい亭』で
桂春団治師匠を囲む会と大阪市コミュニティ協会住吉区支部協議会と
共催で開催されました。
年3回の予定で開催させて頂きましたこの地域落語会も、
やっと10年の節を迎える事が出来ました。
今回も300名近いご参加を頂き有難うございました。
桂 春蝶
地獄八景亡者戯
    (じごくばっけいもうじゃのたわむれ)
今回最初のご出演は春蝶さん。お噺は『地獄八景亡者戯』
上方落語屈指の大根多です。
「東の旅」のひとつとして断片的に語られてきたお噺を米朝師匠が仕立て直した大変長い根多です。
通しで1時間から1時間半はかかるというロングストーリーですが、今回は春蝶風ショートバージョン。
古典でもあり、新作でもあるようなところが面白く、
春蝶さんのセンスが光ったなかなか聴けるお噺でした。


桂 小春団治
つぼ算
次は小春団治さんが登場。『つぼ算』を演じられました。
ほろ酔い寄席では殆ど創作落語でしたが、今回は古典落語の名作。
三代目春団治師匠の実父の 故・二代目桂春団治が得意とした根多です。
最後のオチは、米朝型で
■ええい、もうこの(二荷入りの)壷、持って行きなはれ!
●はは、それがこっちの思うツボや。


桂 春若
 『京の茶漬け  
中トリは、春若さんの『京の茶漬け』。
帰りがけに『ちょっとお茶漬けでも』という
京都特有の愛想言葉。とある浪花っ子が「本当に茶漬けを食べようとしたらどうなるのだろう?」と、わざわざ電車で知り合いのところにお邪魔するストーリー。
やっとありついたお茶漬けをすぐきの漬け物でガサガサガサ
本当に食べたくなるよな春若さんの名演でした。

〜〜 中入 〜〜


海老一鈴娘
大神楽
中入り後のご出演は大神楽(だいかぐら)の海老一鈴娘(えびいちすずめ)さん。
一九九八年に大阪市咲くやこの花賞 大衆芸能部門受賞。
伊勢神宮の神楽から発展した寄席芸「太神楽」の関西でただ一人の演者であった「海老一鈴子」の長女として生まれる。小学生の頃から本格的な修行を積み重ね、小学四年生で初舞台。その後、母・鈴子の引退に伴い、関西唯一の「太神楽」演者となられました。
  皿や出刃包丁を使った曲技、そして「五階茶碗」を華やかな「房の板」と
  「ぼんぼり」に替えた関西唯一の芸は見事の一言!
  「五階茶碗」や「出刃皿」、その他の多彩なる芸は見る人を飽きさせず、華やかさと緊張の連続で、
  お客様も大満足でした。


桂 春団治
 『お玉牛

トリは春団治師匠で『お玉牛』。
お玉はムラ一番の美人。若い連中が寄るとお玉の話で持ちきりに。
そこへ、お玉を腕力で「うん」と言わせたという乱暴ものが現れる。
今晩忍び込んでいく約束も取り付けたと。
これを知ったお玉の親は可愛い娘を傷物にされてなるものかと、牛をお玉の部屋に寝かせて夜這いの男を待つ。
■どぉでもえぇけど、えらい太いなぁお前、寝太りかおい? 玉ちゃん、頭どっちや? 黙ってたら分からへんがな、玉ちゃん何とか言ぃな、玉ちゃん頭どっちや? 玉ちゃん……、あぁこっち頭や、昼と夜と髪の形変えとるねん、お下げに結ぅとんねやないかい、嬉しぃなぁおい、ちょっと銀杏返しの一つも結ぅといてくれたら……
■(ピシッ)痛いなぁ、恥ずかしぃのん分かるわい、恥ずかしぃのん分かるけど、何もお下げで叩かいでもえぇやないかい(ピシッ)痛いなぁ、そないパチパチしぃないな。玉ちゃん俺なぁ、前からお前のことが好きやったんや、玉ちゃん……、玉ちゃんて……、何やねんこれ?
春団治師匠の流れるような所作。
扇子で描く牛のシッポは美しく魅了させられます。
さすが三代目。と思わず唸ってしまうお噺でした。
〜〜写真と解説は、「囲む会」より提供いただきました〜〜
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