第29回 公演記録 
春駒HOME> ほろ酔い寄席> 記録の目次
第29回  【 ほろ酔い寄席 】 平成23年10月20日(土)
住吉区民ホール
十月二十二日(土)に住吉区民ホール『住吉ふれあい亭』で
三代目桂春団治師匠を囲む会と住吉区コミュニティ協会と共催で開催されました。
今回も住吉区民まつりと同時開催で100名以上のご参加を頂きました。
有難うございました
桂 治門

黄金の大黒  
最初のご出演は治門さん。ほろ酔い寄席は2回目のご出演です。お噺は『黄金の大黒』。
一枚しかない羽織を順番に来て、慣れない挨拶もそこそこに、祝宴、無礼講と成るストーリー。元気一杯の治門さんの噺で長屋の喧騒な雰囲気が、よく出ていました。


桂 蝶六
悪酔い
続いて蝶六さんが登場。『悪酔い』を演じられました。
上方落語の根多名では「替り目」になるようで、元のお噺の人力車をタクシーに変えて現代風にやる演出です。
今回はまくらも秀逸で、大きい字で『桂 蝶六 来たる!』肩にキャッチコピーが着いてまんねん。『テレビ、ラジオでは滅多にお目にかかりません』。会場を笑いに包んでいました。


桂 春駒
 『神様のご臨終  
中トリは、春駒さんの『神様のご臨終』。
主人公にキリストから電話がかかってきて、二十世紀の神様の臨終に立ち会って欲しいとの依頼を受ける処から始まる。
全編、駄洒落のオンパレードで実に面白い噺をさらに面白く。古典と創作の両刀使いの春駒さんの世界でした。
前半のキリストと男のやりとりは言葉遊び。キリスト教の言葉に掛けた駄洒落が飛び交います。後半の病院内は、いろいろな神様と出会うところなどが一番の笑いどころです。

〜〜 中入 〜〜

立花家 千橘
井戸の茶碗
中入り後のご出演は立花家千橘さん。演目は『井戸の茶碗』」。
主人公が武士の頑固さに板ばさみになって右往左往するストーリー。
千橘噺の世界に引き込まれて素晴らしいお噺でした。
『井戸の茶碗』を調べてみますと、井戸は古来高麗茶碗の王といわれ格別貴ばれていますが、
俗に一井戸二楽三唐津というように、茶碗を通じての最上とされ、その名は講談やこの噺の落語にまで取り上げられて、茶碗といえば井戸の名を連想するほどに有名になっています。
元々は、「細川茶碗屋敷の由来」という講談からつくられたもののようです。


桂 春之輔
 『まめだ

トリは春之輔さんの『まめだ』。「
大部屋役者、右三郎が家に帰る途中、さした傘が急に重くなる。
ははあ、豆狸が悪さしよるな、と勘付いた右三郎、得意のトンボを切ると、
傘の上にいた黒いものが地面に叩きつけられ、走って逃げていった。
さて、この右三郎の母親は三津寺の境内でびっくり膏という、
貝に入った薬を商っていたが、ある日、勘定が一銭だけ足りない。
かわりに、銭を入れる箱に銀杏の葉が一枚。おかしな話や、と首をひねる母に、
右三郎は一銭くらいええやないか、と飯を食って寝てしまう。
また次の日も勘定が一銭足りずに銀杏の葉、その次の日も、
とおかしなことが続いていたのだが……。
このお噺は古典の風情をかもす新作の人情噺です。
秋風に集められた落ち葉を仲間の狸が香典を供えた、
と解釈する最後のオチは本当に泣けます。
紅葉の銀杏と共に昔の三津寺界隈が目に浮かぶお噺でした。
〜〜写真と解説は、「囲む会」より提供いただきました〜〜

 ■ 目次へ戻る ■