第27回 公演記録 
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第27回  【 ほろ酔い寄席 】 平成23年1月23日(日)
住吉区民ホール『住吉ふれあい亭』で
三代目桂春団治師匠を囲む会と住吉区コミュニティ協会と共催で開催されました。
多くのご参加を頂き 有難うございました。
桂 壱之輔
真田小僧  
最初は壱之輔さん。 演じられたのは『真田小僧』という根多。
ああ言えばこう言うで、親をへこましてばかりの子供。
今日もおとっつぁんに小遣いをせびり、ダメだと言われると、
知らない男がおとっつぁんの留守に家に上がり込んで、おっかさんと差し向かいで……
と気を持たせる話をするので、おやじはついつい気になり、
話がとぎれる度に、もう一円、もう一円と情報量を追加で取られるストーリー。
壱之輔さんのハイテンポがしっくりしたお噺でした。


桂 春蝶
母恋いくらげ
続いて春蝶さんが登場。『母恋いくらげ』を演じられました。
柳家喬太郎師の新作だそうで、
「タコ、イカ、ヒラメ、カレイ、そしてクラゲ」の体の動きが洗練されて美しく、
更に磨きがかかったように見受けられ、創作でありながら、完成度高さが感じられました。

桂 春若
 『おごろもち盗人  
中入り前は、春若さんの『おごろもち盗人』。
モグラのことを昔は関西ではオンゴロとかオゴロモチとか 言ったそうです。
明日節季を控え、夜遅く支払の工面をする亭主。
金勘定が合わず困っていると、木戸の辺りでボソボソと声が
見れば地面から手が。おごろもち盗人発見。
亭主は盗人を警察に突き出して褒美の金で節季の支払をしようと
哀れ盗人は木戸の向こうの手だけ縛られて身動きのとれぬ状態に・・・
さすが春若さん。安心して聞けるお噺でした。

〜〜 中入 〜〜

露の新治
狼講釈
中入り後のご出演は、ほろ酔い寄席初出演の露の新治さん。
大阪市生野区生まれ。昭和50年林家染三に入門。
昭和57年に露の五郎兵衛門下に移り露の新次へ
長年、全国を回って「お笑い人権高座」を続けられています。
夜間中学設立運動に関わる中で始めたもので、笑いを通じて社会風刺、人権の大切さを訴え、
人権の講習会でも全国を飛び回っています。
今回はお得意根多の『狼講釈』。
大阪でしくじった男、何とかなるだろうと西へ下ったものの
何ともならず、とうとう一文無しになって床屋に飛び込み助けを乞う。と
「村の取り決めで旅人の世話をすることはできない。しかし、
何か芸があるなら、芸事の好きな村人に披露して路銀を稼げる」という。
口から出任せ「講釈ができる」と答えたところ、お庄屋さんを紹介してくれた。
食事、風呂の厄介になり、さて講釈を始めようかというその時、
嘘がバレるのを苦に庄屋を飛び出してしまう。村外れの森の中を進むうち、
やがて狼の群れが目の前に……  狼の前で講釈をやることに。
●止めてくれるな妙心殿、落ちぶれ果てても平手は武士じゃ。
五万三千石所領を捨て家来を捨てての刃傷でござる、
武士の情けをご存じあらば、その手放して今ひと太刀、抜かせてくだされ梶川殿ぉ〜ッ!
お若けぇの、あッ、お待ちなせぇ〜ッ!
●待てとお止めなさりしわぁ〜? 縮緬(ちりめん)問屋の
光右衛門じゃ、助さんも格さんも油断めさるな、
この男こそ、生まれは葛飾柴又、帝釈天で産湯をつかい、
姓は車、名は寅次郎、人呼んで「フ〜テンの寅」とはこの男。
●はッ、心得たり、槍を小脇に俵星玄蕃(げんば)、
雪を蹴立ててサクサクサクサク。雁が鳴いてく赤城山。
番場の忠太郎どこへ行く、来るんじゃなかった水熊横丁。……?
会場からは大きな拍手ず沸き起こりました。

桂 春之輔
 『鰻の幇間
とりは春之輔さんの『鰻の幇間』(うなぎのほうかん)。
幇間とは今では少なくなった太鼓持ちのことだそうです。
野太鼓の一八と ほんの顔見知りの旦那との駆け引きが
面白く、春之輔噺でした。


〜〜写真と解説は、「囲む会」より提供いただきました〜〜

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