|
 |
露の団四朗 |
『押し売り』 |
中入り後のご出演は露の団四朗さん。故露の五郎兵衛師匠の影響もあり怪談噺が
お得意で高座名に「四」があるため、自称「落語会のヨン様」だそうです。
落語の他、上方にわかでは、四代目一輪亭花咲(いちりんてい はなさく)を襲名されています。
出囃子『炭坑節』はご出身の福岡に由来しています。演目は創作落語の「押し売り」。
子供とおばあちゃんと押し売りのバトルといった感じのストーリーで、
子供が留守番している家に入った押し売りが子供相手に悪戦苦闘。後半は子供のお婆ちゃんも出てきて、さらにハチャメチャな展開に・・・。団四朗ワールド全開でした。
|
|
 |
桂 春団冶師匠 |
『高尾』 |
最後は春団冶師匠の『高尾』。
すーっと膝立ちする高尾の幽霊の姿に色香と情愛がにじむ師匠の得意根多。
■そぉおっしゃれば、見ずには納まりますまい。では、暫くお待ちくだされ。
箪笥の引き出しからうやうやしく取り出しました ちりめんの袱紗(ふくさ)、
中から香箱をば取り出しまして火鉢をばねきに寄せます。
その粉をば爪ですくぅて火鉢にくべますと、
青い陰火が一つ、ボォ〜ッ……
(♪あ〜ら不思議やなぁ、高尾の姿ぁ〜、ありありとぉ〜)
△お前は島田重三(じゅ〜ざ)さん……
■そちゃ、女房、高尾でないか
△二世(にせ)と交わせし反魂香、あざにや焚いてくだしゃんすな
■何のあざに焚くものか、いや、そなたに会いたさ見たさ
△その香(こ)の切れ目が、縁の切れ目……
■南無高尾幽霊遁処菩提、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……
●ほ、ほ〜っ! なるほど、出て来よったなぁ……。
えぇ女ごやないかいお前。
毎晩「チャンナマイダ」やるはずやなぁ。
いや、実はな俺も三年前にかか死なして……、
えらいすまんけどな、その粉ぉ半分だけおくれんか?
■いやしかし、これは人さんに上げるわけには……
●そんな汚いこと言ぅな。お前がかかの顔見たいのんと
俺が見たいのんとおんなじやないか。
ぎょ〜さんやないがな、少しだけ
■いや、人さんに上げましても、高尾よりほかの者は……
似て非なる『反魂丹』を買って帰り、
死別した女房おちょねに会えるのを楽しみにしている
喜六の可愛くていじらしさが最高でした。
|
〜〜写真と解説は、「囲む会」より提供いただきました〜〜 |