|
桂 咲之輔 |
東の旅〜発端 |
最初のご出演は咲之輔さん。 上方落語家がまず最初に挑戦するのがこの根多だそうです。
▼(ボン)さて、例によりまして喜六、清八といぅ両名の大阪の若いもん、だいぶ時候もよおなつたんで 「ひとつお伊勢参りでもしょやないか」 といぅええ加減な連中がありましたもんで・・・・上方落語に付きものの見台、膝隠しに、ハリ扇、小拍子を「ツ・ポポ・ボン、ツ・ポポ・ボン」と
打ちながら調子良く語られるのは、むかし落語が大道芸やった頃の名残で、小拍子に合わせて声の調子も高めになり、ざわついた雑踏でもよく通ったんやそうです。
咲之輔さん元気一杯のお噺でした。
|
|
|
桂 福車 |
粗忽長屋 |
続いて『粗忽長屋』(そこつながや)を演じました福車さん。
死んだ本人が本人の死体を担ぐ。と言う福車さんならではの不思議なお噺で場内大笑いでした。原話は寛政年間の笑話本『絵本噺山科』にあります。
その内容は、お前が死んでいるぞ、と言われた男があわてて現場に駆けつけると、むしろを被った死体がある。慌ててめくつて見て、 「ああ、よかつた。おれではなかった」と一安心、というものでこれに様々に肉付けがほどこされ、現在の噺になったそうです。
|
|
|
桂 春雨 |
七段目 |
中入り前は、春雨さんの『七段目』。
芝居が大好きの大家の若旦那。大旦那に説教され二階から一歩も出るなと言いつかります。しかし本人は芝居のまねが出来ると呑気なものですが、相手がいない。そこに丁稚の定吉。これも無類の芝居好き。二人で忠臣蔵・七段目のまね事を始めますが、最後は二階から転げ落ちる。
■何や? 二階から赤いもんが落ちて来ましたで、どないした どないした?
おぉおぉおぉおぉ、定吉やないかいな、また目ぇ回しとおるがな、しっかりせんかい
★あ〜、あ〜、わたしには勘平さんといぅ夫のある体
■丁稚に夫があつてどないすんねん、何を言うとんねん。ははあ〜、そぉか、うちの倅と二階でまた芝居の真似でもして落ちて来たんやな。
■この梯子段の天辺から落ちたんか?
★いいえぇ、七段目。・・・と言うさげ。大爆笑でした。
|
|
〜〜 中入 〜〜 |
|