第18回 公演記録 
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 第18回 【 ほろ酔い寄席 】    平成20年 2月10日 (日)
新しい会場、 新装の 「住吉区民ホール」で、初めての開催。
300席の会場(小ホール)は立ち見が出る程の、超満員。。。大入り!!
桂 春菜

ぜんざい公社
最初のご出演は春菜さん。
『ぜんざい公社』というお噺。お父さんの故春蝶さんの得意根多で春菜さんご本人も全力投球で演じられました。三代目春蝶襲名が待たれるお噺でした。

桂 春雨

へっつい盗人
続いて春雨さんの『へっつい盗人』。
へっついを祝いとして贈ろうとする喜六と清八。
しかし金が無いので夜中に丼池の道具屋へ行ってへっついをこつそり持って帰ることに。
喜六のドジ振りが面白い盗人話です。
春雨さんのならではの雰囲気で、場内笑いの渦でした。

桂 春之輔

芝居噺 けつね
中入り前は、春之輔さんの『けつね』。
このお噺は古典ではなく新作落語に入ります。きつねの物真似をする娘と猟師の甚九郎が旅の侍から五両のお金を騙し取りますが、本当に助けた狐にお金を返してもらう。と言うお噺。

▲ ホンマにお父っつぁん、骨折れたったで。
    相手が侍やないか、もし化けの皮が現われてみ、あの差してる刀が恐おてな
◆ えらいやっちやわい
▲ まぁ、一生懸命に勉強したお陰で、役者も及ばんほどうまいこと芝居したわいな。
◆ よおでけた、結構けつこお
▲ あの、お父っつぁん。わたいもな五両といぅよおなお金な、見たことないねが。
    わたいにもいっぺん見せてんか?
◆ 見せてやるとも、これで俺も当分は好きな酒がたらふく呑めるというもんじゃ、
    われにも見せ、おととし死んだかかにも見せてやろおとな、仏壇。へ供えておいた。
    さ、こつち来い こつち来い。
★ 仏壇の前へ来てヒョイッと見ると、小判がのおて柿の葉が五枚。

◆ ヤッ! こ、こ、こらどういう。。。。こらなんじゃ??
    種よ、えらいこつちやぞ、小判がのおて柿の葉あが五枚じゃ。
    小判が木葉に化けやがったオノレエ、侍、この仕返しわ‥‥‥

さすが春之輔さんならではの話術でした。


中入
対談     春団治師匠 と 囲む会会長
中入り後は、当会の妻木事務局次長の司会で、春団治師匠と当会の森本会長との三人による対談。
『三代目桂春団治師匠を囲む会』の生い立ち等の話題で場内盛り上がりました。


桂 小春団治
冷蔵庫哀詩
   (エレジー)
その後のご出演は小春団治さん。
『冷蔵庫哀詩』と言う家庭の冷蔵庫の中を擬人化した創作根多。マーガリンとジャムとの対決。賞味期限の切れた長老、ホタルイカの沖漬けはん等が登場。家庭の冷蔵庫に新入りの 「プッチンプリン」 が買われて来て。プリンにラムレーズンハーゲンタッツの実らぬ恋。アイスクリーム が恋をしたが・・・・・。この世では成就できない冷蔵庫内の恋を描いた悲恋物語。

小春団治ワールド全快で、場内大爆笑でした。

桂 春団治
野崎参り
最後は春団治師匠の 『野崎参り』。
出囃子にもなつています三代目師匠の十八番。古き佳き時代の大阪の風景を伝えるスケッチ落語で、明治の頃までは、この落語のように舟でゆく人と陸をゆく人との口喧嘩の風習があつたと伝えられています。
★黙っていれば口に虫が湧くという喜六に清八が、野崎詣りの喧嘩は口だけの喧嘩、言い勝ちさえすれば運が強い、運定めの喧嘩と教えられ、
■ウオーーイ!向こうへゆくやつぅーーー
▲ホンマにアホやな、このガキは・・・。向こうへゆくやつて、お前、朝の早よから、こつち帰ってくるやつがあるか・・・。
見てみ、みんな向こうへゆくやつばァーかりやないか。いや、そやないねん。誰なら誰と言わな分かれへんがな〜  あ、そうか、誰なら誰か・・。 そや、ウオーーーイ!誰なら誰エ〜〜
▲ホンーーーマに、どこまでアホや、このガキは・・・。そんなん言うたら、よけい分かれへんがな、もう・・・・。
口喧嘩に勝てない喜六のたぞたぞしさが なんとわなしに愛らしいお噺。

さすが春団治師匠の極みの一噺でした。又、春団治師匠の出噺子 「野崎」は、お染久松の浄瑠璃の「新版歌祭文・野崎村の段」 からとられています。
〜〜この解説は、会報誌「のざき」より〜〜

住吉コミュニティ協会との共催となり、
住吉ふれあい亭  「ほろ酔い寄席」として、新たな門出です。

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