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桂 福矢
天災 |
最初のご出演は福矢さん。『天災』という根多。
短気で自分の母親にも暴行を加える乱暴者が、大家の紹介で心学者 紅羅坊奈丸(べにらぼうなまる) 先生から ″天災 ”の心得を習うお噺。
帰ってみると長屋で一騒動あつた後、どうやら隣の夫婦が一悶着あつたらしい。
先妻と本妻が喧嘩騒動になったとか。
そこでこの男
●分からんじやろおなぁ。 でわ、あなたに良く分かるよおにお話をしましょう。広〜い広〜い野原じゃ、そこをあなた一人が歩いてなさった。
にわか雨、ザ〜ツと雨が降ってくると丁稚さんが水を撒く
▲その丁稚、アホやろ
■すると丁稚は、屋根から落ちてくる。即ち天のわざわい、天災じゃ。お分かりかな?
▲そんなもん、分かるかい
■分からんガツキヤなぁ。俺はすぐ分かったぞ。お前とこ、前の嫁はんが飛び込んできたから喧嘩になつたんやろが。
せやから、これを前の嫁はんやと思わんと、天が飛び込んできたと思わんかい。
天やったら喧嘩のしようがないやろ。
これを天のわざわい、天災っちゅうねん。・・・・・先妻でもめてんねん。
と言うオチで、福矢さん会心のお噺でした。 |
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桂 蝶六
豊竹家 |
続いて蝶六さんの登場。『豊竹家』。
見るもの聞くもの何でも節をつけて語りだすという、いたって浄瑠璃好きな豊竹家の節右衛門さん。朝から晩まで義太夫を語っておりますとそれを聞きつけ、口三味儀の名手を名乗る男がやって来て二人のノリノリ コラボレーションが始まります。
●汚い三味線やなぁ〜
♪あれあれ、向こうのお棚にネズミが みちゅ出(い)で、また みちゅ出でて むちゅまじくぅ、一つのお餅を引いてゆくぅ〜、餅は小(ち)さいか大きいか? 棚の上のネズミが
「♪チユ〜、チユ〜、チユ〜、チユ〜、チユ〜」
★さすが節右衛門さんとこのネズミはよぉ弾きまんなぁ。
●いえいえ、かじってるだけでございます。
大蔵流狂言方 安東伸元に師事された蝶六さんならではのお噺でした。
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桂 春駒
犬の目 |
次は春駒さんの『犬の目』。
眼科医が患者から取り出した目玉を洗浄し乾かしている間に、どこかの犬が来てこれを食べてしまいます。
困った眼科医は仕方無しにその犬の目玉をくり抜いて、何も知らない患者にはめ込んで治してしまう。 ・・・と言う神業スーパードクターが登場する超SF的古典根多です。
春駒さん 仕草が素晴らしいお噺でした。 |
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