第14回 公演記録 
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 第14回  【 ほろ酔い寄席 】    平成18年10月 8日 (日)
今回も百五十名以上の大勢のご参加を頂き、
住吉会館で開催されました。

桂 壱之輔

平林
最初のご出演は、壱之輔さんで『平林』と言う根多です。

漢字の知らない物覚えの悪い男が、「平林」という医者のところへ使いにやられ、途中で名前を忘れ、いろいろな人に「平林」と書いた紙を見せ、読み方を聞く。
タイラバヤシと読む人や、ヒラリンと読むと言う人、一八十の木木(モクモク)から、はては一ツと八ツの十木木 (トッキッキッ) と読む人まで出てきた。
そこで 「タイラバヤシかヒラリンか、イチハチジュゥのモクモク、ヒトツとヤツツでトッキッキッ」と囃子ながら歩く。おなじみのお噺で最初から場内爆笑でした。

桂 春雨

二人ぐせ
次は春雨さんで『二人ぐせ』。
人間なくて七癖。俺は癖がない。といぅお方でも、七つはお持ちやそぉでございます。。。
・・・ではじまります。
  ◆ほな何かい 「詰まらん」ちゅうたら一円かい?。
  ●せや。その代わり、わしゃ 「呑める」ちゅうたら一円出すやないかい。
と何とかお互いの癖言葉をしゃべらそうとする。

春雨さんお得意のお噺でした。

桂 春駒

猿後家
三番目は春駒さんで『猿後家』。

顔が猿にそっくりで猿後家とあだ名されている、川上屋という大店の後家さん。当人はひどく気にしていて、店では「サル」とつく言葉は禁句になっている。この店に出入りしている太兵衛という男、後家さんに取り入り、機嫌を取るのがうまいので気に入られている。伊勢参りから帰った太兵衛が店に来る。みやげ話をしている時、奈良の町の様子を話しているうちに、うっかり「猿沢の池」と口をすべらせる。これを聞いた後家さん、かんかんに怒り、太兵衛に煮え湯を浴びせて、店からつまみ出せという騒ぎ。太兵衛は、番頭から美女の名前を教わり、さっそく後家さんのところへ行く。
怒っている後家さんに、さつきは 「さむそうの池」 といったのだとごまかし、
  ● 「おおえはんを昔の美女にたとぇますと、わが朝の日本では小野小町、照手姫か
    衣通姫(そとおりひめ)。唐土 (もろこし) では、玄宗皇帝の 思い者 で・・・」 
  ■ 「玄宗皇帝の思い者で、一体、誰に似ているというのや。」 
  ● 「ようひひ(楊貴妃) に似てござります。」 と、、、

春駒さん、会心のお噺でした。


桂 春団冶
寄合酒
最後は春団治師匠。おなじみの『寄合酒』と言うお噺。

長屋の若い者が集まり、材料持ち寄りで飲もうと言うことになりみんな金がないので、乾物屋の子供をだましてカツオ節2本をまきあげたり、いろいろ苦心して、材料を調達する。ところが料理の方はまったく解らず、カズノコをゆでたり、カツオ節の出し汁で洗濯したり、魚を犬にくらわしたりで、まともに料理ができない。

この根多は初代春団治の爆笑編で知られ、レコードも残されていますが、そのやり方が二代目春団治、さらに現・春団治師匠に継承され春団治師匠至極の話芸が堪能できた舞台でした。

〜〜この解説は、会報誌「のざき」より〜〜

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