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桂 壱之輔
平林 |
最初のご出演は、壱之輔さんで『平林』と言う根多です。
漢字の知らない物覚えの悪い男が、「平林」という医者のところへ使いにやられ、途中で名前を忘れ、いろいろな人に「平林」と書いた紙を見せ、読み方を聞く。
タイラバヤシと読む人や、ヒラリンと読むと言う人、一八十の木木(モクモク)から、はては一ツと八ツの十木木 (トッキッキッ) と読む人まで出てきた。
そこで 「タイラバヤシかヒラリンか、イチハチジュゥのモクモク、ヒトツとヤツツでトッキッキッ」と囃子ながら歩く。おなじみのお噺で最初から場内爆笑でした。
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桂 春雨
二人ぐせ |
次は春雨さんで『二人ぐせ』。
人間なくて七癖。俺は癖がない。といぅお方でも、七つはお持ちやそぉでございます。。。
・・・ではじまります。
◆ほな何かい 「詰まらん」ちゅうたら一円かい?。
●せや。その代わり、わしゃ 「呑める」ちゅうたら一円出すやないかい。
と何とかお互いの癖言葉をしゃべらそうとする。
春雨さんお得意のお噺でした。
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桂 春駒
猿後家 |
三番目は春駒さんで『猿後家』。
顔が猿にそっくりで猿後家とあだ名されている、川上屋という大店の後家さん。当人はひどく気にしていて、店では「サル」とつく言葉は禁句になっている。この店に出入りしている太兵衛という男、後家さんに取り入り、機嫌を取るのがうまいので気に入られている。伊勢参りから帰った太兵衛が店に来る。みやげ話をしている時、奈良の町の様子を話しているうちに、うっかり「猿沢の池」と口をすべらせる。これを聞いた後家さん、かんかんに怒り、太兵衛に煮え湯を浴びせて、店からつまみ出せという騒ぎ。太兵衛は、番頭から美女の名前を教わり、さっそく後家さんのところへ行く。
怒っている後家さんに、さつきは 「さむそうの池」 といったのだとごまかし、
● 「おおえはんを昔の美女にたとぇますと、わが朝の日本では小野小町、照手姫か
衣通姫(そとおりひめ)。唐土 (もろこし) では、玄宗皇帝の 思い者 で・・・」
■ 「玄宗皇帝の思い者で、一体、誰に似ているというのや。」
● 「ようひひ(楊貴妃) に似てござります。」 と、、、
春駒さん、会心のお噺でした。 |
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